アーレントの社会学史上の意義

河合恭平さんより、以下のご論文をお贈りいただきました。誠にありがとうございます。

アーレントの思想を社会学の文脈で論じるという河合さんならではの内容で、全体主義論や公共性論を中心に幅広い先行研究が丁寧に整理されており、アーレントとその周辺を学ぶ上で大変有益な導きの糸となっていると感じました。また、研究史において煮詰まっている部分や今後のフロンティアが示されている点も、アーレント研究の現在地を知ることができ非常に勉強になりました。特に「活動」について、その「危険性の認識は,すでにアーレント研究のなかでは常識的な解釈になってきている」(29頁)とされていますが、「仕事」的な目的=手段のカテゴリーでは捉えがたい類の危うさを浮かび上がらせる「活動」概念のポテンシャルに興味を惹かれるところです。