第24回 政治と理論研究会のご案内

このたび下記の要領にて、第24回の政治と理論研究会を開催いたします。

今回はZoomを用いたオンライン形式での開催となります。

どなたでも参加は可能で、時間内の出入りは自由です。ご参加を希望の方は、専用のフォームよりご登録ください。前日までに会場のURLと報告資料をお送りします。

・日時:2021年12月22日(水)19:00~20:30

・会場:オンライン開催(Zoom)

・報告者:藤原 拓広(九州大学大学院地球社会統合科学府博士後期課程)

・報告題名:「リベラル・ナショナリズムに基づくグローバルな正義論の問題点――デイヴィッド・ミラーの「正義をめぐるズレ」論の批判的検討」

・参考文献:

[1] Miller, D. (1995) On Nationality, Oxford: Clarendon Press. 〔富沢克・長谷川一年・施光恒・竹島博之訳『ナショナリティについて』、風行社、2007年〕

[2] Miller, D. (2007) National Responsibility and Global Justice, Oxford: Oxford University Press. 〔富沢克・伊藤恭彦・長谷川一年・施光恒・竹島博之訳『国際正義とは何か――グローバル化とネーションとしての責任』、風行社、2011年〕

[3] Miller, D. (2013) “Social Justice versus Global Justice?” in his Justice for Earthlings: Essays in Political Philosophy, Cambridge: Cambridge University Press, pp. 165-182.

*参考文献は参加者の予習の助けとしてご紹介頂いたもので、読了を参加の要件とするものではありません。

第23回 政治と理論研究会のご案内

このたび下記の要領にて、第23回の政治と理論研究会を開催いたします。

今回はZoomを用いたオンライン形式での開催となります。

どなたでも参加は可能で、時間内の出入りは自由です。ご参加を希望の方は、事前に松尾( kihamu[at]gmail.com )までご連絡頂くか、専用のフォームよりご登録ください。前日までに会場のURLと報告資料をお送りします。

・日時:2021年9月2日(木)15:00~16:30 (*終了後に懇親の時間を設けます)

・会場:オンライン開催(Zoom)

・報告者:發田 颯虎(東京大学大学院法学政治学研究科)

・報告題名:「可能世界を参照する自由論」

・報告概要:非支配としての自由や独立としての自由と呼ばれる構想は、行為への実際の干渉actual interferenceだけではなく可能な干渉possible interferenceをも不自由の源泉としてカウントする「頑健性テーゼ」によって特徴づけられる。本報告では頑健性テーゼに向けられてきた、①不可能性批判②道徳化批判③代替案による批判という3種類の批判への応答を通じて、頑健性テーゼの中でも批判を回避できる最善の構想を明らかにすることを目指す。

・参考文献:

(報告内容の背景知識を補完するのに役立つものをいくつか列挙しています)

[1] List, Christian & Valentini, Laura (2016). Freedom as Independence. Ethics 126 (4):1043–1074.

[2] Carter, Ian & Shnayderman, Ronen (2019). The Impossibility of “Freedom as Independence.” Political Studies Review 17 (2): 136–146.

[3] Ingham, Sean & Lovett, Frank (2019). Republican Freedom, Popular Control, and Collective Action. American Journal of Political Science, 63 (4): 774-787.

[4] Schmidt, Andreas T. (2018). Domination without Inequality? Mutual Domination, Republicanism, and Gun Control. Philosophy and Public Affairs 46 (2):175-206.

[5] 大森秀臣 (2013). 「優しき巨人は自由侵害の夢を見るか?―共和主義対消極的自由論の新展開」平野仁彦・亀本洋・川濱昇編『現代法の変容』有斐閣. pp. 505-39.

*参考文献は参加者の予習の助けとしてご紹介頂いたもので、読了を参加の要件とするものではありません。

政治と理論研究会・特別企画のご案内

このたび政治と理論研究会の特別企画として、2020年10月に公開された日本政治学会「女性研究者の学会参画に関わる検討ワーキンググループ最終報告書」を読み、同報告書で扱われている様々なトピックについてざっくばらんに話し合う会を設けることにしました。

同報告書は、専攻分野ごとの女性割合や、学会誌・研究大会への参画状況、ハラスメントの問題など、様々な論点に関する現状の分析と提言を含んだ大変興味深い内容となっております。

本企画はオンライン(Zoom)で実施し、適宜報告書を画面共有しながら、参加者の関心に応じて自由にディスカッションする予定です。

・日時:2020年12月17日(木)19:00~21:00

・会場:オンライン開催(Zoom)

〈議論したいトピックの例〉
・専攻分野ごとの女性割合
・研究ネットワークへの参入やキャリア形成
・学会誌および学会の意思決定への参画
・研究大会への参画(マネル、懇親会、満足度、参加意欲)
・参画状況の改善方法と、一部研究者への負担の偏り
・ハラスメントへの対処

本企画はあくまで松尾が個人の立場で自発的に開催する非公式の会合であり、日本政治学会の活動とは一切関係がございません。日本政治学会の会員であるか否かを問わず、どなたでもご参加可能です。

参加を希望される方は、専用のフォームよりご登録ください(回答期限:12月13日)。前日までに会場となるURL等を登録者のメールアドレスにお送りいたします。なお、事前の日程調整にご協力頂いた方は登録済みとして扱いますので、改めてのご登録は不要です。

第22回 政治と理論研究会のご案内

このたび下記の要領にて、第22回の政治と理論研究会を開催いたします。

今回はZoomを用いたオンライン形式での開催となります。

どなたでも参加は可能で、時間内の出入りは自由です。ご参加を希望の方は、事前に松尾( kihamu[at]gmail.com )までご連絡頂くか、専用のフォームよりご登録ください。前日までに会場のURLと報告資料をお送りします。

・日時:2020年11月17日(火)20:00~21:30

・会場:オンライン開催(Zoom)

・報告者:豊田 紳(アジア経済研究所)

・報告題名:「選挙の弊害を矯正する公職者選抜制度としての『選挙くじ引き制』の提案ーメキシコの事例を交えて」

・参考文献:

1)Manin, Bernard. 1997. The Principles of Representative Government, Cambridge University Press.

2)Dowlen, Oliver. 2008. The Political Potential of Sortition: A Study on the Random Selection of Citizens for Public Office. Exeter, UK: Imprint Academic.

3)山口晃人. 2020. 「ロトクラシー: 籤に基づく代表制民主主義の検討」『政治思想研究』 20: 359 – 392.

4)Wilkinson, Steven I. 2004. Votes and Violence: Electoral Competition and Ethnic Riots in India, Cambridge University Press.

*参考文献は参加者の予習の助けとしてご紹介頂いたもので、読了を参加の要件とするものではありません。





第21回 政治と理論研究会のご案内

このたび下記の要領にて、第21回の政治と理論研究会を開催いたします。

今回はZoomを用いたオンライン形式での開催となります。

どなたでも参加は可能で、時間内の出入りは自由です。ご参加を希望の方は、事前に松尾( kihamu[at]gmail.com )までご連絡ください。当日までに会場のURLと資料をお送りします。


※参加申込フォームを設置しました(8/6)。こちらから連絡して頂いても結構です(既にご連絡を頂いている方は入力不要です)。

https://forms.gle/NyL9Pcny3945qLAp6


※文献のリンクを追加しました(8/25)。


 

・日時:2020年9月10日(木)15:00~18:00

・会場:オンライン開催(Zoom)

 

〈第1報告〉 15:00~16:25

・報告者:鈴木 知花(一橋大学・院)

・報告題名:「福祉の理念としてのケアの倫理を社会政策へと架橋する——日本の障害者政策を例として(仮題)」

・参考文献:

・岡野八代(2012)『フェミニズムの政治学——ケアの倫理をグローバル社会へ』みすず書房

・Kittay, E. F. (1999) Love’s Labor: Essays on Women, Equality, and Dependency, Routledge.(=岡野八代・牟田和恵訳(2010)『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』白澤社)

・Nussbaum, M. (2006) Frontiers of Justice: Disability, Nationality, Species Membership, Belknap Press(=神島裕子訳(2012)『正義のフロンティア——障碍者・外国人・動物という境界を越えて』法政大学出版局)

 

〈休憩〉 16:25~16:35

 

〈第2報告〉 16:35~18:00

・報告者:川鍋 健(早稲田大学)

・報告題名:「アメリカ憲法学における人民主権論」

・参考文献:

川鍋健「人民の、人民による、人民のための憲法:アキル・リード・アマールの憲法論から」、一橋法学17巻2号、2018年、435頁以下。

川鍋健「新たな憲法解釈の誕生:チャールズ・L・ブラックの議論から」、一橋法学19巻2号、2020年7月公刊予定、189頁以下

川鍋健『人民主権と違憲審査:イェール学派の憲法学から』、一橋大学、博士号取得論文、2019年。

 

*参考文献は参加者の予習の助けとしてご紹介頂いたもので、読了を参加の要件とするものではありません。

第20回 政治と理論研究会のご案内

このたび下記の要領にて、第20回の政治と理論研究会を開催いたします。

どなたでもご参加頂けますが、資料準備の都合上、ご参加頂ける方は事前にご連絡を頂戴できますと有難く存じます(連絡先: kihamu[at]gmail.com)。

・日時:2020年3月15日(日)14:00~18:10 16:00

・会場:法政大学大学院棟 3階 303教室

【第1報告】 14:00~16:00

・報告者:小川 亮(東京大学・院)

・報告題名:「民主主義という他律」

・参考文献:

1 Christoph Moellers, “Separation of Powers”, in The Cambridge Companion to Comparative Constitutional Law, Roger Masterman and Robert Schuetze (eds.), Cambridge University Press, 2019.

2 ブルース・ブエノ・デ・メスキータ、アラスター・スミス(四本健二・浅野宣之訳)『独裁者のためのハンドブック』(亜紀書房、2013)。

【第2報告】 16:10~18:10 ※報告者高熱のため第2報告は中止いたします(2020年3月15日)

・報告者:福家 佑亮(京都大学)

・報告題名:「支配なき統治」

・参考文献:

1) Kramer, Matthew [2009] “Liberty and Domination,” in Laborde, Cécile, and John Maynor, eds. Republicanism and political theory, 31-57.

2) Carter, Ian [2009] “How are Power and Unfreedom Related?,” in Laborde, Cécile, and John Maynor, eds. Republicanism and political theory, 58-82.

3) Pettit, Philip [2009] “Republican Freedom: Three Axioms, Four Theorems, ” in Laborde, Cécile, and John Maynor, eds. Republicanism and political theory, 102-130.

4) Simpson, Thomas [2017] “The impossibility of republican freedom.” Philosophy and Public Affairs 45, 27-53.

5) Lovett, Frank, and Philip Pettit [2018] “Preserving republican freedom: a reply to Simpson.” Philosophy & Public Affairs 46, 363-383.

6) Simpson, Thomas [2019]”Freedom and Trust: A Rejoinder to Lovett and Pettit.” Philosophy & Public Affairs.

*参考文献は参加者の予習の助けとしてご紹介頂いたもので、読了を参加の要件とするものではありません。

【中止】第20回 政治と理論研究会のご案内

報告者インフルエンザ発症のため中止いたします(2019年12月13日)。

このたび下記の要領にて、第20回の政治と理論研究会を開催いたします。

どなたでもご参加頂けますが、資料準備の都合上、ご参加頂ける方は事前にご連絡を頂戴できますと有難く存じます(連絡先: kihamu[at]gmail.com)。

【開催要領】

・日時:2019年12月17日(火)18:30~20:30

・会場:法政大学大学院棟 6階 604教室 8階 802教室

・報告者:大和田 悠太(一橋大学)

・報告題名:「比較政治学における市民社会論の現在:ネオ・トクヴィリアン、スカンディナビア・モデル、その後」(仮)

・参考文献:

1)山口定『市民社会論-歴史的遺産と新展開』有斐閣、2004年。

2)Bob Edwards, Michael W. Foley, and Mario Diani eds., Beyond Tocqueville: Civil Society and the Social Capital Debate in Comparative Perspective, Tufts University, 2001.

3)Lars Trägårdh ed., State and Civil Society in Northern Europe: the Swedish Model Reconsidered, Berghahn Books, 2007.

*参考文献は参加者の予習の助けとしてご紹介頂いたもので、読了を参加の要件とするものではありません。

第19回 政治と理論研究会のご案内

このたび下記の要領にて、第19回の政治と理論研究会を開催いたします。

どなたでもご参加頂けますが、資料準備の都合上、ご参加頂ける方は事前にご連絡を頂戴できますと有難く存じます(連絡先: kihamu[at]gmail.com)。第1部と第2部は、どちらか一方だけの参加でも問題ありません。

 

・日時:2019年9月11日(水)15:00~19:00

・会場:法政大学大学院棟 6階 602教室

 

【第1部:読書会】 15:00~16:45

・対象文献:『思想』2019年7月号の特集「政治思想史の新しい手法」

(※対象文献を通読の上でご参加ください)

 

【第2部:研究報告】 17:00~19:00

・報告者:大久保 歩(大阪大学)

・報告題名:「フリードリヒ・ニーチェにおける「政治的なもの」再考」

・参考文献(コメントは報告者より):

1. 森政稔「「ニーチェの政治学」 は存在するか」、『〈政治的なもの〉の遍歴と帰結―新自由主義以後の「政治理論」のために―』、青土社、2014年(初出1998年)、225-259頁。

本論文は、英語圏を中心に営まれてきたニーチェの政治思想研究を、大きな歴史的文脈に位置づけているだけでなく、ニーチェ自身の思想も政治思想の観点から簡潔に分析しています。
ニーチェの政治思想研究の導入としては、日本語で読める最良の文献だと思います。

2. Oliver Marchart, Die politische Differenz: zum Denken des Politischen bei Nancy, Lefort, Badiou, Laclau und Agamben, Berlin: Suhrkamp, 2010.

本書は以下の英語版の増補版です。
Post-Foundational Political Thought: Political Difference in Nancy, Lefort, Badiou and Laclau, Edinburgh: Edinburgh University Press, 2007.
本発表では、「政治的なもの」の概念について、主にオリヴァー・マーヒャートのここでの議論にもとづいて検討しています。
マーヒャートの標榜する「ポスト基礎づけ主義」の観点から、ニーチェにおける「政治的なもの」を再考することが、今回の発表の目的のひとつです。

3. 玉手慎太郎/田畑真⼀「ポスト基礎付け主義の問題関心」、田畑真⼀/玉手慎太郎/山本圭編『政治において正しいとはどういうことか―ポスト基礎付け主義と規範の行方―』、勁草書房、2019年、1-22頁。

ポスト基礎づけ主義の簡潔な導入として、本論文を挙げておきます。

4. エルネスト・ラクラウ『現代革命の新たな考察』、山本圭訳、法政大学出版局、2014年。

マーヒャートはラクラウの弟子筋にあたる人で、彼の「政治的なもの」の概念はラクラウのそれにかなり依拠しています。
本書の、特に第一章(「現代革命の新たな考察」)だけでも読んでいただければ、当日の議論がわかりやすくなると思います。

*参考文献は参加者の予習の助けとしてご紹介頂いたもので、読了を参加の要件とするものではありません。

第18回 政治と理論研究会のご案内

 

このたび下記の要領にて、第18回の政治と理論研究会を開催いたします。

どなたでもご参加頂けますが、資料準備の都合上、ご参加頂ける方は事前にご連絡を頂戴できますと有難く存じます(連絡先: kihamu[at]gmail.com)。

【開催要領】

・日時:2019年6月26日(水)17:00~19:00

・会場:法政大学大学院棟 4階 402B教室

・報告者:安藤 有史(立教大学・院)

・報告題名:「群衆の表象から群衆のネットワークへ:2011年以降の直接抗議行動と暴動の解釈」

・報告概要:

2011年に世界中で起きた抗議行動や革命は、リーダー不在の、水平的で、組織のない、脱中心的運動であることが特徴として論じられた。しかし社会運動の実践における水平性は、1970年代の「新しい社会運動」論において既に指摘されていたことである。その意味で水平性や脱中心性を語るだけでは、もしくはそれを可能にしたインターネット技術について述べるだけでは、2011年以降の社会運動の新奇性を論じ尽くせていない。また2011年直後の抗議行動が花開いた多幸的な時期が過ぎた現在、理論的な関心だけではなく、実践的な観点から、リーダー不在の社会運動を礼賛するだけでは運動の持続性や影響力に限界があるとして、党や組織の重要性を再び主張する議論が現れている。

本報告は、2011年以降の諸運動について真に新しい点を、「ネットワーク」という概念が群集行動の分析に多用されたことにあると考え、特に「複雑ネットワーク」理論が群集行動の解析に活用されている研究状況を概観する(マニュエル・カステルやロドリゴ・ユネス、他)。2011年はスマート・モブやフラッシュ・モブなどの言葉が使われ始めて以来、初めて起きた世界的な社会運動の年だと言える。

その上で、ネットワーク理論による群集行動の分析は、群集の動員・拡大のメカニズムを説明するが、群集が政治経済の文脈で何を意味しているのかに関する群衆の表象については言及しない性質のものであることを指摘する。これを「群集の表象から群集のネットワークへ」と整理する。大衆における伝染、暗示、非合理性の問題として語られた19世紀の社会心理学寄りの群集論に対して、20世紀の群集行動に対する社会科学は、群集を背後にある社会経済的不満を代表して生じる現象と見做した。しかし今や群集は、背後にある社会経済的問題から説明されるのではなく、ネットワークの機序として生成する。

なぜ群集は表象されなくなったのか。報告の最後では、「表象からネットワークへ」の変遷が起きた理由を検討する。第1に抗議行動を観察し論じようとする知識人に見られる直接性(immediacy)に対する賛美、第2に群集自身が表象されることを拒否する身振りを示していることを取り上げる。前者の事例としてはオキュパイ・ウォールストリートをはじめ2011年に起きた社会運動とそれに対する評論を取り上げる。後者の事例としては2011年イングランドの暴動で「暴徒の顔が見えない」ことを取り上げる。しかしこれはイングランド暴動だけに該当することではなく、2000年前後の社会運動のイコンであったサパティスタのマルコス司令官が覆面である(顔が見えないようにしている)ことにも見られる。

・参考文献:

本報告は、報告者の現代暴動研究(2011年イングランド暴動や2005年フランス暴動を例とする)のサイドストーリーとして作成中のものであり、以下にあげる参考文献は、本報告で直接扱えないが、密接に関係する先行研究が含まれている。

Dean, Jodi. 2016. Crowds and Party. London and New York: Verso.

Srnicek, Nick and Williams Alex. 2016. Inventing The Future: Postcapitalism and A World without Work. [revised and updated edition]. London and NewYork: Verso.

Unes, Rodrigo. 2014. Organisation of the Organisationless: Collective Action After Networks. Mute Books. [online PDF available].

以下、本報告では直接言及できないが重要なものとして。特に畠山(1994)。

畠山弘文(1992)「治安問題の社会的解釈と政治的再浮上―戦後イギリスにおける警察と治安の展開―治安と統治研究① 一九八一年春ロンドン・ブリクストン暴動以前」明治学院大学法学会『法学研究』49号、197-306頁.

――(1993)「イギリス的治安問題の形成過程(一)―反射鏡としてのスカーマン報告とその視座―治安と統治研究② 一九八一年ブリクストン暴動」明治学院大学法学会『法学研究』50号、61‐206頁.

――(1994)「イギリス的治安問題の形成過程(二)―スカーマン報告の理論的検討―治安と統治研究③」明治学院大学法学会『法学研究』55号、59-166頁.

*参考文献は参加者の予習の助けとしてご紹介頂いたもので、読了を参加の要件とするものではありません。

第17回 政治と理論研究会のご案内

 

このたび下記の要領にて、第17回の政治と理論研究会を開催いたします。

どなたでもご参加頂けますが、資料準備の都合上、ご参加頂ける方は事前にご連絡を頂戴できますと有難く存じます(連絡先: kihamu[at]gmail.com)。

 

・日時:2019年3月6日(水)15:00~19:00

・会場:法政大学大学院棟 6階 602教室

 

【第1部:公刊論文の検討】 15:00~16:30

・趣旨:公刊された研究成果を対象に、その内容(あるいは着想、方法、今後の発展可能性など)について、著者をお招きして議論します。論文を読んで生じた疑問などを著者に直接お尋ねできる貴重な機会となりますので、専門分野にかかわらず奮ってご参加ください。

・著者:木山 幸輔(日本学術振興会)

・対象論文:木山幸輔(2018)「人権の哲学の対立において自然本性的構想を擁護する:チャールズ・ベイツによる批判への応答」井上達夫責任編集『法と哲学』第4号(2018年6月)、信山社、43-94頁。

・論文要旨:本稿の目的は,近年英語圏において進展の進む人権の哲学の対立において,政治的構想から自然本性的構想へ向けられた批判に後者が応答しうることを示すことにある。本稿は,自然本性的構想への最も包括的な批判を行なっているC・ベイツによる自然本性的構想の伴う4つの主張の定式化,及びそれらへの批判を確認し,批判のそれぞれへ応答を示す。それらの応答の結論的主張は以下のようなものである。ベイツによる4主張の定式化を受け入れる種類の自然本性的構想であっても,当該の4主張への彼による批判に対して適切に応答しうる。例えば,本稿はそのような応答を可能にする概念的区別として,通時的な抽象的権利と社会的状況に依存する形でそれが表現される具体的権利の区別を導入し,彼の批判に応答しうることを示す。論末において,本稿の検討が人権の哲学の対立においてもつ意味が確認される。

・キーワード:人権,人権の哲学,チャールズ・ベイツ,自然本性的構想,政治的構想,抽象的権利,具体的権利,一般的権利,特別的権利,自然権

・参加条件:対象論文を通読の上でご参加ください。

 

【第2部:研究報告】 17:00~19:00

・報告者:山口 晃人(東京大学・院)

・報告題名:「ロトクラシー:籤に基づく代表制民主主義の検討」

・報告概要:ロトクラシー(籤に基づく代表制民主主義)とは、立法府の代表者を選挙によってではなく、一般市民からの無作為抽出によって選ぶ制度構想である。選挙民主主義とロトクラシーの道具的価値を理想的な条件下と非理想的な条件下(現実的な条件下)で比較することを通じて、ロトクラシーの立法システムとしての妥当性を検討する。

・参考文献(カッコ内は報告者のコメント):

1)Zakaras, A. (2010) “Lot and Democratic Representation: A Modest Proposal,” Constellations, Vol.17, No.3. pp.455-71.
https://doi.org/10.1111/j.1467-8675.2010.00608.x
(ロトクラシー論の主張がコンパクトにまとまった論文です。この論文を読んでおけばロトクラシー論者がどのような理由からロトクラシーを擁護しているかが理解できると思います。)

2)Guerrero, A. A. (2014) “Against Elections: The Lottocratic Alternative,” Philosophy and Public Affairs vol.42, no.2, pp.135-78.
https://doi.org/10.1111/papa.12029
(ロトクラシー関係で引用されることが多い論文です。第1節(pp.135-52)で選挙代表システムが強力な利害関係者によって歪められやすいことを指摘し、第2節以下(p.152-)で選挙代表システムの代替案としてロトクラシーを提案します。本報告との関連では、第2節以下の内容が重要になると思います。

3)Umbers, L. M. (2018) “Against Lottocracy,” European Journal of Political Theory. (pp.16-9の部分)
https://doi.org/10.1177/1474885118783602
(タイトルの通り、ロトクラシーを批判する論文です。本報告と関連する箇所はpp.16-19の”Representation by Lottery”の節です。)

4)岡崎晴輝(2018)選挙市民審議会報告「『選挙・政治制度改革に関する答申』の検討──衆議院・参議院の選挙制度改革案を中心に」政治理論フォーラム。
http://politicaltheory.sblo.jp/article/184708041.html
(後半部分で参議院の改革案として抽選制市民院を提案しています。ロトクラシーについて具体的にイメージする上で参考になると思います。)

*参考文献は参加者の予習の助けとしてご紹介頂いたもので、読了を参加の要件とするものではありません。