civil概念

岡田正則先生から、以下2つの抜き刷りをご恵贈頂きました。岡田先生にお会いしたことはありませんが、ご高論を引用した拙稿「原発事故避難者と二重の住民登録」の抜き刷りをお送りした返礼としてお送り頂いたようです。誠にありがとうございます。

法と国制の比較史

市民社会と市民法

両者は姉妹篇で、それぞれ独仏におけるcivil概念を法思想史的に検討なさっています。私もシティズンシップ論のようなことをやっておりますので、こうした歴史的文脈を多少なりとも学んでいきたいと思います。勉強させて頂きます。

なお、上記の拙稿をお送りした他の先生方からも、有難い反応を多々頂いております。この場で改めて御礼を申し上げます。引き続き精進いたします。

第15回 政治と理論研究会のご案内

 

このたび下記の要領にて、政治と理論研究会を開催いたします。

どなたでもご参加頂けますが、資料準備の都合上、ご参加頂ける方は事前にご連絡を頂戴できますと有難く存じます(連絡先: kihamu[at]gmail.com)。

【開催要領】

・日時:2018年6月15日(金)17:00~19:00

・会場:法政大学大学院棟 4階 402B教室

・報告者:河合 恭平(日本大学)

・報告題名:「H・アーレントのソキエタス(societas)概念とアソシエーション論――ロック、モンテスキュー、トクヴィル解釈の検証を通じて」

・討論者:上野 大樹(一橋大学)

・参考文献:

1)Arendt, Hannah, [1963] 2006, On Revolution, Penguin Books.(=1995,志水速雄訳『革命について』筑摩書房.)特に、第4章、第5章第1節。

2)Arendt, Hannah, 1972, “Civil Disobedience,” in Crises of the Republic, Harcourt Brace & Company.(=2000,山田正行訳「市民的不服従」『暴力について』みすず書房.)特に、第3節以降。

3)Arendt, Hannah, 1959, “Reflects on Little Rock,” in Responsibility and Judgment, Schocken Books.(=2007,中山元訳「リトルロックについて考える」『責任と判断』筑摩書房.)

4)河合恭平,2014,「H・アーレントのアメリカ革命論と黒人差別の認識――「始まり」の恣意性と暴力に関連させて」『社会思想史研究』38: 184-203.
http://shst.jp/Report/2014.html

5)河合恭平,2012,「H・アーレントの共通世界と「活動」の暴力をめぐる関係――暴力への「境界」」としての公共性論」『年報社会学論集』25: 25-36.特に、第3節第2項(「約束」の項)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kantoh/2012/25/2012_25/_article/-char/ja

*参考文献は参加者の予習の助けとしてご紹介頂いたもので、読了を参加の要件とするものではありません。

 

731部隊と戦後日本

加藤哲郎先生から、ご高著『731部隊と戦後日本――隠蔽と覚醒の情報戦』(花伝社)をご恵贈頂きました。ありがとうございます。

731部隊と戦後日本――隠蔽と覚醒の情報戦

昨年出された『「飽食した悪魔」の戦後――731部隊と二木秀雄『政界ジープ』』の要約版・普及版という位置づけのようで、刊行後に行われた講演記録などを整理した、話し言葉の文章になっています。

日本学術会議が軍事研究に関する声明を出したり、SNS上で科学研究費補助金への党派的攻撃が行われたりと、政治と科学の関係についての話題に事欠かない近年ですので、現代に引きつけやすい歴史として興味深く学べるのではないでしょうか。

企業内デモクラシー再考

昨日、専修大学で行われた現代規範理論研究会にて、「企業内デモクラシー再考――共和主義、財産所有、ステークホルダー」と題する報告をさせて頂きました。近年の共和主義的アプローチによる職場デモクラシー論を批判的に検討する内容でした。

現代規範理論研究会は以前から機会を見て参加・報告したいと思っていましたので、初参加で初報告という形になりましたが、とても良かったです。多くの方にご参加頂き、様々な観点からコメントを頂けて大変有り難い機会となりました。個人的には、修士課程で同期だった寺尾さんと一緒に報告できたのは嬉しかったです。

企業統治の民主化の問題には、引き続き取り組んでいく予定です。